スワップ狙いのリスク 南アフリカランド編

南アフリカランドトルコリラなどの高金利通貨で資産運用という広告に惹かれてFXに興味を持たれた方も多いと思います。

しかしながら、筆者はこれらの通貨でのスワップ目当ての投資に関しては、初心者の方にはあまりお勧めしていません。

FX会社の広告にある6%や7%といった高金利は確かに魅力的ですが、金利が高い分、リスクもそれなりに大きいということが軽視される傾向があります。

ここでは高金利通貨の代表格である南アフリカランドの現状とリスク、スワップ取引の落とし穴について簡単に挙げてみたいと思います。

政策金利は上昇基調

先月、南アフリカ準備銀行(南アフリカの中央銀行)による2会合連続の利上げが行われ、現在、政策金利は6.75%まで上昇しています。

利上げの理由は南アフリカの通貨であるランドの下落や、食料品価格の上昇などでインフレ懸念が強まったことなどが挙げられます。中国を中心とする新興国経済減速懸念や米国の利上げ開始などを背景に資金流出が本格化し、南アフリカランドが対ドルを中心に対主要国通貨で大きく下落し輸入物価が上昇しており、また、天候不良などの原因で食料品の価格が上昇しています。現在、消費者物価指数は5%台で推移しており、南アフリカ中銀は今年の第1四半期に6%台に乗せるとの予想を立てています。

今回の南アフリカの利上げに関しては、先進国でしばしば行われる景気に過熱感を抑えるための利上げではなく、資金流出、高インフレを抑えるための利上げとなり、短期的には資金流出を和らげることができたとしても、ただでさえ冴えない景気を、さらに下押しする可能性があり、結局、更なる資金流出、通貨安へとつながるリスクを秘めたものとなります。金利が高くなるのでスワップが多く貰えるから魅力的と考えてしまいがちですが、将来的な通貨下落による元本の減価のリスクを伴うものとなります。

南アフリカ経済は依然として不透明感が強い

南アフリカでは慢性的な電力不足、度重なるストライキ、鉱業設備の老朽化など様々な問題を抱えているところに、直近の中国の景気減速懸念などによる資源価格の下落、米国の利上げ観測がきっかけとなった資金流出などが相次ぎ、厳しい状況が続いています。また、資金流出による南アフリカランドの下落が、ドル等の外貨建て債務の返済が企業を圧迫することが懸念されており、南アフリカ経済にとっては、厳しい状況が続きそうな気配がしています。

格下げリスクあり

現在の南アフリカの国債格付けはSPがBBB、ムーディーズがBaa2と投資適格級とされていますが、景気の見通しの悪化と公的部門の債務負担増加を背景に格下げの可能性が浮上しています。格下げとなると更なる資金流出へとつながり、南アフリカランド売りも強まることが想定されます。

低い流動性

南アフリカランドを含む新興国通貨を取引するデメリットとして流動性の低さが挙げられます。新興国通貨ではドルやユーロポンドに比べると著しく取引参加者が少ないため、値動きが荒く、売り材料が出てくると大きく値を下げるリスクが挙げられ、思わぬ損失につながるリスクが挙げられます。

南アフリカランドの値動き

下のチャートは過去10年分の南アフリカランド/円とドル/南アフリカランドの月足のチャートになります。

まずは上の南アフリカランド円のチャートですが、2006年の19円台から10年間で7円台まで下落しており、南アフリカランドは10年間で対円で半額以下に減価しているのが確認できます。

続いて下のドル/南アフリカランドのチャートを確認してみましょう。このドル/南アフリカランドの場合は1ドル当たりの南アフリカランドの価格となるため、価格が上昇すれば南アフリカランド安、下落すれば南アフリカランド高となります。こちらも1ドル=5ランド台から16ランド台まで上昇となり、過去10年で半額以下になっていることが確認できます。

もちろん、この10年の間にはサブプライムローン問題やリーマンショック、または昨今の米国利上げ、中国の景気減速の影響による資金流出などの特殊な要因もあり、その影響で下落したというもあると思いますが、それを差し引いても下落基調が強いことは確認できると思います。

これから先、南アフリカの経済成長が進み、南アフリカランドが上昇するというシナリオが無いとは言い切れませんが、せっかく金利を6%もらっても、元本が6%以上減ってしまったら・・・。

【南アフリカランド/円 月足チャート】

【ドル/南アフリカランド 月足チャート】

スワップ運用は損するまで止められない?

スワップ目的の取引は人間の本能によって、損をするまでなかなか止められないという性質があるため、注意が必要です。
スワップ目当ての取引は、毎日コツコツと金利を受け取ることを目的としているため、継続してポジションを持ち続けます。
通貨の価格が上昇、または横ばいの時は、放っておけば毎日金利が付与されハッピーな状態となるため、ポジションを持ち続けます。何もしないでも金利が貰え、美味しい不労所得となり、なかなか止めるのは難しいと思います。また、「こんなに金利が貰えるなら、もう少し買ってみよう」と考える人や「金利で貰った分を複利で再投資してみよう」などと思う人も多いと思います。
価格が下落をはじめたときでも、「そのうち反発するから大丈夫。」「これまで貰った金利の分、そしてこれから貰える金利があるから、多少下がっても大丈夫」という適当な理由付けがはじまります。また、下がってきたので、「今のうちに買い増しておけば、もっと金利が貰える」とさらに買い増したりしてしまいます。

そして、度々訪れる相場の急落により、資産が大きく原価した状態となると、「ああ、もう放ったらしにするしかない」となってしまう、またはレバレッジをかけているとロスカットとなり、強制決済され、夢が崩れ去るという状態になりがちです。実際に筆者はそのような事例を幾度と見てきました。

スワップ利益目的でトレードするなら綿密な計画を立てる必要あり

これまで、リスクに着眼し、悪いことばかりを書きましたが、スワップ利益を目的としてのトレードで継続的に利益を上げている人は存在します。

彼らは、自己の資金計画を綿密に立て、それにより、持ち高を調整したり、ある一定の下落となった場合の損切り、ある一定の上昇を目安に利益確定などの管理を徹底するなど、単純に買ったら持ちっぱなし、単純なナンピンではなく、研究を重ね、リスク管理も徹底している人達で、決して楽して利益を上げている訳ではありません。労力では、主要通貨で利益を上げ続けている人とそれほど変わらないと思います。

これまでのことを総合的に考えると、性格にもよりますが、筆者は個人的に、初心者の方は、新興国通貨の取引を行うよりは、主要通貨での取引の方が、効率的に取引できると考えます。リスクがあるという点ではどちらもリスクはあるのですが、流動性が高く、情報量も多い主要通貨の方が、新興国通貨に比べるとリスクも軽減でき、金利目的よりも、為替差益を狙った方が、効率的に取引が行えると考えます。

■各社のスワップはFXスワップ比較にてご紹介
https://fx.minkabu.jp/hikaku/swap.html

著者情報

Oandasatou

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト

Boxtitle 口座を準備しよう!初心者におすすめのFX口座

Index pickupcompany

FX取引をするにはまず取引を行うFX会社に口座を開設する必要があります。初心者としてはFX会社選びも一苦労ですよね。初心者におすすめのFX会社をピックアップしましたので、初心者に嬉しいポイントとともにいくつかご紹介します。

GMOクリック証券
GMOクリック証券バナー
初心者おすすめポイント
7年連続で世界取引高No.1を獲得の大手FX会社
預かり資産は3年連続で国内No,1
FXの他に株式やCFDも取り扱っている
GMOクリック証券を詳しくチェック
外為どっとコム
外為どっとコムバナー
初心者おすすめポイント
Webセミナー『マネ育スクール』で基礎から学べる
ほとんどの通貨でスプレッドが業界最狭クラス
サーバーが安定しており約定スピード最速0.009秒を実現!
外為どっとコムを詳しくチェック
YJFX!
YJFX!バナー
初心者おすすめポイント
最小取引単位が1,000通貨なので5,000円から取引できる
人気の取引アプリ「cymo」は操作性抜群!
取引でTポイントを貯めることができる
YJFX!を詳しくチェック

新着初心者コラム